page.18 ミニスーパーファミコンから考える回顧商法の落とし穴
今回のお題は「ミニスーパーファミコン」だ。
なお、私の家では普通のスーファミが全盛期である。
一番手は「初代熱血硬派くにおくん」だ。間違いない。
スーパーファミコンは私が小さい頃、
1990年11月21日に任天堂より発売したハードで、
初めて拡大縮小機能を搭載し、内臓CPUも16bitになった。
当時は本当に革新的なゲームだった。
100メガショックという言葉もこの時代なら頷ける。
そのスーパーファミコンから発売されたソフトを、
21タイトル詰め込んで、本体だけで遊べるようにしたものが、
「ミニスーパーファミコン」である。確かに本体は小さい。
今回は、このミニスーファミから話を考えてみたい。
◎ミニスーファミのラインナップから見る販売戦略
「全くなってない。何故〇〇が入っていない?」
スーファミで育った世代は、ラインナップを見て、
かなりの確率で似たようなセリフを呟いたのではないだろうか。
そして、そう呟いた人は間違いなくコアなゲーマーである。
因みに、件のミニスーファミのラインナップはこちらだ。
・がんばれゴエモン1
・超魔界村
・スーパーフォーメーションサッカー
・スターフォックス1
・スターフォックス2
・聖剣伝説2
・FF6
・スパ2
・ドンキーコング1
・星のカービィスーパーDX
さて、このラインナップを見てどういう感想を抱くだろうか。
そして、ミニスーファミを買う人はどういう人を想定しているだろう。
更に、買う人はどういう楽しみ方を考えて買うのだろうか。
◎「友人と」「一人で」「ワイワイと」の違い
この内臓されているゲームの内訳は、
アクション … 8本
レース … 2本
シューティング … 2本
パズル … 1本
シミュレーション … 1本
スポーツ … 1本
格闘ゲーム … 1本
この比重から考えるのは、バランスは考えられている。
悪く言えば、「無難」な選択肢を選ばざるを得なかったのだろう。
確かに、実際に内蔵するゲームを21本選べと言われると少し考える。
ただ、間違いなく私なら選ばない選択肢だけははっきりしている。
「上位互換が存在しているソフト」または、
「他のハードで遊べるようなソフト」である。
この点でいうと、
・スーパーフォーメーションサッカー
・FF6
・スパ2
・星のカービィスーパーDX
半数以上が要らない。
1回やって、もう2回目は良いやというようなものは要らないのだ。
それならプライムサッカーを入れてリフティングのミニゲームしたい。
他にも、マリオカートも64やスイッチの8の方が確実に上位互換で、
ファイアーエムブレムは今更紋章の謎をやる人も少ないだろう。
他のハードでリメイクされているものは論外だ。
一度プレイしているものを回顧主義でやるには少し高い買い物だ。
それなら、持っている人の実家やゲームバーに行って、
「友人とワイワイ楽しむ」くらいの楽しみ方が望まれている。
そして、「一人で」じっくり楽しむにも適さない。
それを望む人は、既に1度やりこんだ人が多いだろうし、
再度買ってまで、時間を費やすとも考えにくいのだ。
買ったはいいけど、肥やしになってませんか?ノスタルの。
ミニスーファミに楽しさを求める層は、
間違いなく「時間が足りない層」だからこそ、工夫が必要であった。
◎やるならとことん一転突破が良かった
以下、そもそも想定された遊び方と、
「入るならこの辺りが良かったのでは」一覧を挙げたい。
100%偏った視点なのはご了承ください。
このミニスーファミ。上記の通りそもそもの遊び方は、
「久しぶりに集まったみんなでワイワイ遊ぶ」なのだろう。
次点を挙げるなら「当時やりたかったけどやらなかったもの」。
少なくとも、「昔遊んだゲームをもう1度やり込む」ではない。
そう考えると、入った方が良いと思うのはこれらのゲームだ。
・ボンバーマンシリーズ
・ぷよぷよ通
・ウィザードリィシリーズ
・海原川瀬
・天地創造
それぞれの紹介は文字数の都合上省かざるを得ないが、
友達とワイワイやり込めるゲーム、
当時やり逃したけど気になっていたものばかりだろう。え、違う?
◎何事もユーザー視点=一般的なものではない
ユーザーの声を集めて作りました!は駄作になる。
何故なら、本当に必要な意見はそもそも声として上がりにくい。
どうでもいいものほど、大きい声で聞こえてこないだろうか。
ほら、普段のニュースとか。
せっかくのネット社会なんだし、スプラトゥーンの大規模フェスとかで、
4チームとかを2週間で何回もローテして、
「スーファミソフト選出フェス」とかやれば面白かったのにね。
これから、プレステも似たようなことをやるようだけど、
そこにせっかくなら、「ロックマンDASH3」が入って欲しい。
2018.10.9 Hachi