page.25「北九州市と下関市の対比から見る、施策のコレじゃない感」
今回は真面目に考える、自分の街の話。
現在住んでいる「下関市」についての話だ。
社会人になり、福岡、鳥取、山口と移り住んで、
にも関わらず、市勢に雲泥の差があるため、
思ったことを書き連ねてみる。ただの備忘録だ。
◎下関、北九州の最低限の基本データ
・人口
下関市 264,032人 (男122,905、女141,127) 世帯数 130,400世帯
北九州市 956,582人 (男453,678、女502,904) 世帯数 470,792世帯
・面積
下関市 716 km2
北九州市 492 km2
広いが人口は少ない。それが下関市だ。
逆か、広いから人が集約されなかったのだろう。
◎都市機能に問題がありすぎる下関市
筆者は大学時代、社会人3年目まで北九州市に住んでいた。
東京や大阪ほどではないが、北九州の小倉は交通の便は悪くはない。
JR、モノレール、バスは都会ほど本数は多くないが、
それほど問題は感じられない。
その理由として、都市機能がきちんと集約していることが大きい。
駅を降りて、歩いて行ける範囲に必要なものが揃っている。
駅ビルであるアミュプラザだけでも、
食事、アパレル、本屋、CDショップ、ホテルまで揃っている。
更に徒歩圏内に伊勢丹、リバーウォーク、あるあるシティ、
チャチャタウン4つのショッピングモールが存在している。
それに伴って、小倉の商店街には飲食店や夜の街も多く、
夜の小倉は賑わいを失わない。
それだけでなく、飲んだ後はカプセルホテル、ネットカフェ、
ビジネスホテルなど、宿泊施設も数多い。
そのため、小倉に来ればそれだけで一通り楽しめる。
一方、下関市は街の賑わいに欠ける。
対比として小倉を出しているがほぼその真逆と言っていい。
公共交通機関はJRのみ。本数は1時間に2本程度。
バスはある程度本数はあるものの、夜に使うほど多くはない。
下関にも駅ビルは存在している。
シーモールというショッピングモールがそれだ。
ただ、中身は地方のジャスコレベルであって、
それなりのテナントはあるものの、目ぼしいものはない。
休みだから、そこに行って遊ぼう。とはならない。
ただ、映画館もあれば飲食店等もある。
イベントも小規模ながら開催されている。
一番の問題点は、車が停めにくいのだ。
誰が、わざわざ立体駐車場の7~8Fまで上がって、
停めてまで何とも言えないショッピングモールで遊ぶのか。
そして、駅周辺に楽しめるものがほとんどないため、
人がそこから拡がって行かない点が大問題である。
◎観光ファーストにした街は失敗しやすい
観光は当たり前のことだが、客単価が低い。
実際に考えてみても「食事代」「宿泊代」「入館料」くらいしか掛からない。
観光をする際、一番高いのは交通費になりがちだ。
ライブのチケ代より交通費が高いのはザラだろう。
おわかりいただけただろうか。
そして、下関市の観光資源と言えば、
割と有名な水族館である「海響館」。
美味しい海産物が新鮮なまま食べられる「唐戸市場」。
ギリギリ駅から動ける範囲で思いつくのはこれくらいだ。
もちろん、絶景で有名な「角島大橋」や、
だが、そうじゃない。
街づくりの基本は「リピータ」ありきであって、
実際に下関に住む人がリピータにならない街が、
どうして、他県から遊びに来ると思えるだろうか。
都市基盤が固まって、そこから観光地に繋げる。
そのスタートラインを間違えると、一発屋で終わってしまう。
◎とりあえず、ネカフェ作ろう
ここまでボロクソだが、飲食店基準で一つ提案がある。
下関駅の近くには美味しい飲み屋も多い。
肉好きにはたまらない「GRILL&BAR 247」だとか、
鶏好きに進めたい「鳥と炭」とか、他にもたくさんある。
県外の方、小倉の方も是非一度味わって頂きたい。
ただ、飲んだ後帰ることを考えると、
タクシー、代行くらいしか無く、酔いも中途半端になるというもの。
そのため、駅近くに快活クラブとかポパイとか、
ネカフェがあったら、飲みに行くのもフットワークが軽くなるだろう。
そして、飲む人が増えるとバーなど更に店は増えていく。
店が増えれば、駅前に更に店が増えていく。
もちろん、必要なのは飲食店だけではないが、
どこから消費が生まれるのか、今構えている政策は、
本当に需要を考えた上でのものなのか。
市政において全てのターゲットをフォローすることは難しい。
声が大きい人のためのものになりがちなのも確かだ。
ただ、一度本当に街づくりをゼロベースで考えて欲しい。
今のままなら、北九州に人が移っていくのは仕方ないだろう。
2018.12.1 Hachi